病棟で働いていると、たまに「……え、なんで?」という出来事に遭遇する。
論理的に説明できないわけじゃないんだけど、それにしても、という感じの。私はそれをひっくるめて「病棟の七不思議」と呼んでいます。
今回は、私が実際に遭遇した摩訶不思議な出来事を8つ紹介します。
① ボールペンが減って、いつの間にか増えてる
朝ポケットに入れた時点では確かに3本あった。なのに気づいたら1本になってる。
そして翌日、なぜか5本になってる。
誰がいつ入れたのか、誰が持って行ったのか、一切わからない。病棟のボールペンには意志があると思っている。
関連デザイン:病棟七不思議シリーズ
② 脇に挟んだはずの体温計が消える
測定完了まで待っている間に、体温計がどこかに行く。
ベッド柵の隙間か、布団の中か、患者さんの手元か。なぜかお尻の下から出てきたこともある。発見されるのは大抵、次のバイタルチェックのタイミング。
「脇に挟んでいてください」という指示を守ってもらえないこともあるし、挟んだまま眠りについてしまうこともある。痩せすぎていて脇に挟めず、スルッと背中に落ちていたこともあった。体温計はどこへでも旅をする。
関連デザイン:体温計が消える
③ 「昨日からずっといるよね?」と患者さんに心配される
言われているのは看護師の方。
白衣が一緒で、髪型も似ていて、マスクをしているから、違う看護師でも同じ人に見えるらしい。
「あなた、昨日からずっといるよね?ちゃんと休んでる?」と患者さんに心配される。ありがたいんだけど、今来たばっかりで……。帰っていいよっていうことかしら?笑。
関連デザイン:昨日からずっといるよね
④ 置いていた私のカーディガンを患者さんが着ている
ナースステーションの椅子にかけておいたカーディガン。
戻ってきたら、患者さんが着ていた。
そもそもナースステーションにいる患者さんって、それだけで何をするかわからない方が多い。寒かったんだろうな、というのはわかる。怒る気にもなれない。でも「どうやって持って行ったんだろう……」という謎は残る。「ありがとう」とにこにこしながら返してもらったとき、何も言えなかった。
⑤ 消えたおばあちゃんが、お隣のベッドで一緒に寝ていた
巡視に行ったら、いない。ベッドが空。焦って探し回ったら、同室の患者さんのベッドに一緒に寝ていた。
「寂しかったから」と本人談。
怒るより先に、ちょっと泣きそうになった。怒れない。そして受け入れた側のおばあちゃんも、特に驚いた様子もなく普通に眠っていて、そっちにも笑ってしまった。
⑥ 寝たきりのはずの患者さんが、夜中に廊下を歩いていた
呼吸器をつけていて、ほぼ動けないと思っていた患者さん。
夜中の巡視中、廊下をすたすた歩いているのを発見した。
心臓が止まるかと思った。本人は至って普通の顔をしていた。ただ立っていた。理由はわからない。こちらが「どうされましたか?」と聞いても、特に何も言わない。昼と夜の病棟は天と地ほどの差がある。日中はおとなしく寝ていた人が、夜中に廊下に立っている。それが病棟というところです。
⑦ 入院30分で帰宅。病衣はきれいに畳まれていた
入院手続きが終わって、検査に呼びに行ったら、もういない。
ベッドには病衣がきれいに折り畳まれていて、荷物も何もない。まるで最初からいなかったみたいに。
めちゃくちゃ探して、電話したら「今帰っている途中です」と。手術が嫌になったらしい。気持ちはわかる。でも病衣を畳んで返してくれる律儀さと、黙って帰るという行動が、見事に共存していた。
まとめ
病棟には、マニュアルに載っていない出来事が毎日ある。
怖いというより、人間ってすごいな、と思う瞬間の方が多い。笑えないけど笑える、そういう積み重ねが看護師の日常なんだと思います。
こういう「現場のリアル」をTシャツにしたのが、メディカルきのこセンターです。



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